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「世界を騙す」を仕事にする(3)

5月6日、『毎日新聞』が以下のような書き出しの記事を配信した。

自殺の手段を紹介するインターネットのサイトが無数にあふれる中、「自殺しなくて済む方法」を提示するサイトがある。その名も「生きテク」。渋谷区でデザイン会社を経営するオキタ・リュウイチさん(32)と仲間でつくる「自殺ZEROキャンペーン実行委員会」が昨年9月に開設した。10日には杉並区と連携し、JR阿佐ケ谷駅前で自殺防止アピールをする。

「自殺しなくて済む方法」は、「自殺の手段」の紹介と同様のサイト構成では提示できない。

自殺という目的を果たすためには、方法は何でもいいのである。
並べられたさまざまな手段の中から〈ユーザー〉は抵抗感のないものを選ぶ。硫化水素による手段に〈即効性〉や〈確実性〉があるとされれば、それが〈流行〉する。

だが〈自殺しなくて済む方法〉は、できあいの候補の中から選べるようなものではない。

これが、「生きテク」サイトの致命的な欠陥だ。

宇宙の法則に基づき、全てを受け入れ、前に向かって生きている。
ikiteku.net/index.php?id=27より
そこでデール・カーネギーの
「人を動かす」という本に出会い、
不平、不満、批判しないことを学んだ。
ikiteku.net/index.php?id=214より
30歳のときに、高木善之さんの講演会で、
「自分の幸せは、みんなの幸せを実現することで実現する」
ということを聴き、自分は自分の幸せを願って生きてきた、
だから幸せを感じることがなかったんだと
気づくことができました。
ikiteku.net/index.php?id=155より
遠藤の「音霊」を聴いて歩けるようになった重度身障者をはじめ
自殺を思いとどまった青年、重い癌が快方に向かったなど、
幾多の例がマスコミによって報道されている。
ikiteku.net/index.php?id=122より
米屋の会社の方は赤字だったので、
健康食品の会社を始めたのです。
ikiteku.net/index.php?id=221より

本当に自殺の寸前で切羽詰った人間が、このような解決策で救われるだろうか?
むしろ追い詰めてしまう危険性すら感じるのだが。

バブル崩壊により、巨額の借金を抱えてしまった。
(略)
膨大な量(1000冊以上)の書籍を読みあさった結果
自分を救ってくれた現象は
量子論により説明ができるのではと、
考えるようになった。
ikiteku.net/index.php?id=154

不動産で巨額の負債を抱えても、「量子論」で救われるのは「ツカサ」の社長くらいだ。

「生きテク」サイトで「生きてみる」ボタンをクリックしているのは、何らかの不安や不幸こそ抱えてはいるが、実際には自殺の危機に迫られている人間ではないのだろう。もちろん、明らかないたずらや間違って押すケースも多いはずだ。
年間3万5千人いる自殺者を、一年半で4分の1にする」というその「4分の1」に、この数字をそのまま数えることはできない。

「生きテク」のアプローチは、実は「成功事例から学ぶ」という〈成功哲学〉によく似ている。
あるいは「前世の因縁が」といったある種の〈トーク〉にも。

Googleで「自殺」を検索すると、ある広告が表示される。

このサイトを運営しているのは「株式会社水晶院えんぎ屋)」。「開運グッズ」で年商50億を上げる企業である。
「悩み」を分類してみせるのは「生きテク」にも似ているが、個別に回答者が答える形式となっているだけましかもしれない。

先日、『毎日新聞』地方版にこんな記事が載った。

◇悩みごとに解決策紹介--深田雄志さん(29)
 ネット上には死ぬ方法ばかり。ちょっとのエネルギーがあれば生きていけるはずだからと、「生きるテクニック」を紹介するホームページ「生きテク」を昨年秋、開設した。恋愛、過労、病気、借金などの悩みごとに解決策の実例を紹介している。5000人以上がサイトを見て「自殺をやめた」と意思表示した。
mainichi.jp/area/kyoto/hito/...より

取材対象が「開設した」というのは、毎日新聞記者の事実誤認だそうだ。

【事業C群:患者支援×ITで社会の仕組みを変えます】
★ 自殺解決サイトへの健康問題モジュールの提供事業
ameblo.jp/sakura-y/entry-10112481250.htmlより

これが、この京都の〈社会起業家〉が、9月には終了するはずだった「自殺ZEROキャンペーン」を舞台に考えている「ビジネス」らしい。

しかし、現在の「自殺ゼロキャンペーン」も「生きテク」も
ボランティアベース。

一体どういうビジネスになるのでしょうか??

この質問にオキタさんは、こう答えました。

「ビジネスモデルを考えるのは得意なので、今は気にしていません。

この活動は新聞などマスコミにも取り上げられているし、
ある人からはノーベル平和賞ものの価値があるとも言われました。

ですので、これが成功すれば、ビジネスモデルはいくらでも見えてきます。

逆に、成果が出る前から利益を出しているのは社会起業として
ナンセンスだと思います。

だから、今はまだビジネス化していません」
dream-bar.blog.drecom.jp/archive/75より

本家のオキタも「自殺ZEROキャンペーン」の収益化を考えていたらしいが、それがどのような「ビジネスモデル」なのかは不明である。

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