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イカリングと目玉焼き(2)

(9) 事業展開におけるレピュテ―ション・リスクについて
(略)
このような方針のもと当社では、平成17年6月期及び平成18年6月期において、世界の貧困問題解決のための啓発を目的としたグローバルな市民活動「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーン(注)をわが国において展開していた団体等 (「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーン実行委員会、以下 実行委員会)と連携し、「ホワイトバンド・プロジェクト」の推進に参画いたしました。(略)
当社グループといたしましては、今後も広範な分野を収益機会として捉え、積極的な事業展開を行う方針でありますが、とりわけ社会貢献活動に係る支援業務につきましては、PR活動等のあり方の重要性を強く認識しております。また、各事業の企画・立案にあたりましては、当社へのレピュテーション・リスク等を詳細に分析・評価することが不可欠であると考えております。しかしながら、このような適切なリスク管理体制の構築ができなかった場合には、企業に求められる説明責任を十分に果たせないことになり、当社業績に影響を与える可能性があります。 なお、「ホワイトバンド・プロジェクト」の収益金につきましては、実行委員会とのパートナーシップ契約に基づき、当社の受託経費以外は、すべて推進母体であります実行委員会の活動費又は実行委員会を通じて公的機関等へ寄付しております。
また、第三者による監査を受けております。

「ホワイトバンド・プロジェクト」への参画も、あくまでも「収益機会」を窺ってのことなのである。
が、それは営利企業にとっては当たり前のことで、そのことをとやかく言うのは無粋だ。

「ホワイトバンド」への批判の中に、高すぎる原価を疑問視する声があった。
それも、事情に通じた同業者からと見られるものが多かった。

(8) SP事業におけるリスクについて
当社グループは、完全子会社である株式会社ワイズ・インテグレーション及びその完全子会社である有限会社ワイズ・エムディにおいて、SP事業を行っております。
(略)
②生産国の経済情勢及び為替相場変動について
SP事業において、プレミアムグッズ(販促用景品等)の制作を中華人民共和国等の海外工場へ外注しております。当連 結会計年度において、株式会社ワイズ・インテグレーション全仕入高に占める海外仕入比率は、65.6%であります。また、これら輸入取引は原則として米ドル建て決済で行っております。

「ワイズ・インテグレーション」はJFA公認「日本代表応援サポーターズリング」(ブルーバンド)の販売元となっている会社で、「ホワイトバンド」のオンライン販売終了直後の2006年7月に株式交換によって「サニーサイドアップ」の子会社化されている。
上海や深センに現地事務所を持ち、「ブルーバンド」も中国で生産されている。

何かカラクリがあるとしたら、このあたりだろう。

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イカリングと目玉焼き(1)

「NPO法人 ほっとけない 世界のまずしさ」が、いつの間にか解散していた。
色々な意味で話題となった「ホワイトバンド」キャンペーンの、あの団体だ。

昨年8月に都庁に書類を閲覧しに行った時点では、1億円以上残っていたはずの資金の行方が不明だった。
キャンペーンの後継団体とされた同NPOには最初の事業年度には209万円の収入しかなく、2007年度の収支差は38万4000円と報告され、それ以外に手がかりがなかったからだ。

6月末に所轄庁に提出されているべき2007年度分の決算報告は、事業年度の終了から5か月を過ぎた9月3日になってサイト上で公開された。
この資料を待って、やっと資金の流れを検討することができた。

今年2月に発行された「社会責任報告書」(「ホワイトバンドについて」)によれば、「ホワイトバンド・プロジェクト」から任意団体「ほっとけない世界のまずしさ」に対して1億2070万円が寄付されたことになっていた。
この時点ではまだ、「ホワイトバンド・プロジェクト」には4297万円が留保されている。

「ホワイトバンド・プロジェクト」の人格はどのようになっているのか疑問だったのだが、どうやら経理上は、「株式会社サニーサイドアップ」内の1つのプロジェクトのようだ。

「ホワイトバンド」のオンライン販売終了は2006年6月末。
「サニーサイドアップ」は6月決算である。

「上場申請のための有価証券報告書」には2006年6月末に終了する会計年度に関して、「特別利益(社会貢献支援活動利益)」として195023円という数字が見える。
販売収入から製造原価と経費を引き、「7団体」へ計163678円を寄付した残りである。

翌会計年度に関しては、

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により支出した資金は740,763千円となりました。主な要因としましては、前事業年度においての社会貢献活動「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンを支援するための「ホワイトバンド・プロジェクト」における、同キャンペーン実行委員会への寄付金支出120,700千円が含まれた未払金の減少額133,059千円及び同活動において前事業年度中に計上した寄付金の合計163,678千円に係る法人税等相当額150,834千円が含まれた法人税等の支払額395,055千円、また、仕入債務の減少額239,524千円が大きな要因であります。
⑤特別利益・特別損失
(略)
また、前事業年度に行った社会貢献活動「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンを支援するための「ホワイトバンド・プロジェクト」における利益を、その活動の主旨を勘案し、貧困撲滅のための各種研究を推進している国立大学法人千葉大学へ寄付した社会貢献支援活動利益額寄付44,200千円、投資有価証券評価損11,811千円及び退職一時金制度廃止に伴う影響額10,439千円等により、特別損失は66,924千円となりました。
といった説明がある。

これを見る限り、「サニーサイドアップ」は「ホワイトバンド」による利益をすっかり吐き出している。
1億2070万円という数字も一致している。

「NPO法人 ほっとけない 世界のまずしさ」は、2年めに9248万円の寄付金収入を得ている。
任意団体としての「ほっとけない世界のまずしさ」はNPO法人の設立と入れ替わるように解散したのではなく、一定期間存続していた、ということだろうか?

帳尻はきれいに合っているのだが、本当にそれだけだろうか?

井戸掘る人びと(17)

「クローズアップ現代 善意の井戸で悲劇が起きた」では「国際協力の経験が非常に豊富」と紹介されていた「NPO法人 宇宙船地球号」の山本敏晴代表だが、その発言を追っていくと「経験」を疑わせることばかりだ。

カンボジアに行けば6歳とか10歳の子供たちが小学校に行けず、道の上に座って外国人に新聞を売ってるのが見られます。タイに行けば10歳の女の子が人身売買されて売春宿に入れられ、強制的に売春をやらされてるのが見れます。しかも相手は日本の中年の男性です。
www.tsunagalet.city.nagoya.jp/.../1shuunen_12.htmより

これは4年前の講演会での質疑応答から。
被害者数でいえば、いまだにタイのほうがカンボジアよりひどい状況にあるのではないかと思うことがあるが、とはいえ、「10歳の女の子」のいる現場を単なる旅行者が「買春宿」で目にする、という状況では、もはやない。
だいいち、見せ物ではない。

著書『地球温暖化、しずみゆく楽園ツバル』や映画『ツバル 大切なものに導かれて』にしても、海岸浸食や洪水の原因を「地球温暖化」とあっさり決めつけているが、最近の研究の成果はその説に対してはかなり否定的だ。
このあたりに関しては、現地在住の日本人の優れた考察がある。

山本代表おすすめの「JANIC」の下澤嶽事務局長は、こんなとぼけたことを言っている。

ご存知ツバル諸島は、海面上昇のため水没する島として、マスコミやNGO関係者に取り上げられ、「地球温暖化」の被害の象徴として扱われてきました。JICAなどの調査結果を踏まえた小林氏の主張によると、それはチガウというのです。
(略)
もし、これがホントウなら、地球温暖化 → 海面上昇 → ツバル諸島の被害、といった構造は、マスコミや温暖化に反対する活動家の早とちり、ということなのでしょうか。専門家でない私には、まったく判断できないところです。
ameblo.jp/janic/entry-10160979537.htmlより

調べ考えることは放棄されている。

2008-11-21 (金)  環境×国際協力入門ワークショップ~気候変動は、私たちに何をもたらすのか?~
2005年のハリケーン・カトリーナの襲来、このまま温暖化がすすめば沈んでしまう美しい島「ツバル」、洪水対策や干ばつに十分な力を注げず、自然災害や栄養失調で命を落とす、アフリカの子どもたち。
(略)
主催:(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)
www.janic.org/modules/eguide/event.php?eid=80より

「チガウ」のかも? と書かれた2週間後にはこのようなイベントも。

番組の現地レポートの最後は有料の簡易水道のシーンだった。
住民の自助努力、お金を手渡すこども。微笑ましい、理想的な姿として。

この施設が直接つながりを持つかどうかはわからないが、どうしても思い出されるのが「水の民営化(水道民営化)」と呼ばれる一連の動きである。

生活や経済活動に不可欠な水からは、広く薄く、莫大な利益を得ることができる。
とはいえ、安易に民営化してしまえば採算性などを理由にさまざまな問題が生じうるが、世界銀行やいくつかの開発銀行は、民間企業の参入と総コストの受益者からの回収を前提として融資を計画する場合がある。

かなり穿った見方になるが、あのレポートの終わり方は「水の民営化」にまつわる問題から意識をそらす効果をもたらしかねない。

世界の水問題を検討する国際会議である「世界水フォーラム」でも、「水の民営化」を巡る紛糾があった。
民営化を推進する「IMF」らと、それに反対するNGOの対立の構図の中で、「お金を払うのは当然のこと」という〈素朴〉な雰囲気が現れることは、ある種の人びとにとってはありがたいことなのである。
それがNGOから発信されるのならばなおさら。

その「世界水フォーラム」の分科会で、このような提案があったらしい。

4.提言
メコン河はアジア6ヶ国をつないでいる。メコン河に属する4ヶ国(ベトナム、カンボジア、ラオスおよび中国)と共にメコン河を我々が旅するのは今回が初めてである。我々は互いに学びあい、お互いを理解するために地域の知見を共有する。
しかし、我々は互いの利益が異なるために、コミュニケーションが困難である。このことは、メコン河の利害に関係を持たない第3者が必要だということを意味する。この役割として日本のアジア協会アジア友の会(JAFS)が最適である。 それは、NGOであるJAFSが、援助を必要としている人々のために多くのプログラムを計画しているばかりか、お互いが直接向き合ってコミュニケーションを行う努力をしているからでもある。これが、地域からの草の根レベルのコミュニケーション方法である。JAFSは活発な活動グループの中の一つであるが、彼らはその足をアジアの地にしっかりと下ろしている。
219.94.170.3/wwf/OTHE-301_OTHE-30-J.docより

井戸1基に25万円の寄付を募る団体に利害調整役を期待していいものだろうか?

井戸掘る人びと(16)

アジア数か国で井戸を掘り、カンボジアに関しては1基25万円を目安に募金を募っている「社団法人 アジア協会アジア友の会」
創設者は「日本基督教団」寝屋川教会の村上公彦牧師で、理事にもキリスト教関係者が目立つ。

この団体を通じて現地に寄贈された井戸の写真を発見したのを忘れていた。


www.xes.co.jp/shinzen/cambodian.htm

ポンプ自体ははっきりとは写っていないが、レバーの長さから、これは「2万5000円」とNHKで紹介されたのと同程度のコストで設置できるものだろう。
看板はずいぶん立派だが、「25万円」が必要となる根拠がわからない。

資金は「JAFS(アジア協会アジア友の会)」から現地の団体「KAFS」に託されているようだ。
「KAFS」をキーワードに検索すると、ほかにもいくつかの井戸の写真を見つけることができる。
やはり、ただの〈VN6〉型だ。

「KAFS」の代表者はRong Chhorng。カンボジアの有力者である。
「クメール・ルージュ裁判」に登場した同名の人物も同一人だろうか?

写真の井戸は、寄付をした団体によれば深さ22メートルだという。
そして、その団体の名前に驚いた。

「SHINZEN(しんぜん)」。
「統一教会」のダミーといわれるグループだ。

よく25万円も払ったと思うが、「アジア協会~」の知名度を借りたかったのだろうか?

この「SHINZEN」、あるいは「野の花会」などは、資金集めのための「偽ボランティア」であるとして非難されている。
この2団体については確かに海外での活動実態はほとんどないのだが、「統一教会」関連の団体が世界各地で繰り広げているNGO活動を見ると、実は量的には膨大なものであり、個々のプロジェクトを自体を検討すれば質的にも評価されるべきものも多い。

このブログでは、特に根拠を明確にしないまま「統一教会」系のNGOの存在を否定的なニュアンスとともに紹介してきた。

それがなぜかといえば、

W.F.W.P:Women's Federation for World Peace 世界平和女性連合は、1992年に創設された国連NGOです。「地球は一つの家族」をモットーに海外支援活動、女子留学生への奨学金事業、教育再建のための草の根ボランティア活動を展開しています。
toyota-shiminkatsudo.net/gnkt06/...より
この「一つの家族」は「真のお父様」=文鮮明を家長とするものであり、「民族の和解」「宗教間対話」などといっても、結局は韓民族優越主義であり、「統一原理」のみが真理、だからである。

女性をいかに復帰していくかということにおいて、カインとアベルが一つになって、それから救いの摂理は展開していく。母の使命を堕落エバの蕩減復帰としてお母様が担当される。そうすると、アベルとは世界平和女性連合(WFWP)のメンバーたち、内的には統一教会、外的組織としては、WFWPである。そして日本の場合でいえば、WFWPのメンバーが六千万の一般的女性たちをカインとして、彼女たちを引きあげて復帰していく。どこに連れていくかというと、母の胎中に招くのである。なぜかというと、堕落したエバからカインとアベルという罪の血統が外に出てしまった。だから、復帰は外に出てしまったカインとアベルを母の懐に戻すのである。
www.geocities.com/../setsuri/chap3.htmより

これが「WFWP」の、もう1つの、あるいは本当の目的である。

井戸掘る人びと(15)

「井戸を世界中に22万基掘る会」が、放映翌日にコメントを出していた。

10月28日放送のNHKクローズアップ現代で、
カンボジアの井戸からヒ素が検出され、
村人がヒ素中毒にかかっているとの報道がありました。
皆様にご支援頂きました井戸は、
シェムリアップとタサエンに計56基掘っています。

現地に問い合わせたところ、
この2年余りでヒ素などを含む身体の異常を訴えた住民はおらず、
水質検査を実施した井戸はすべて合格との事でした。
ヒ素汚染が懸念されている地域(メコン川流域)とは離れていますが、
今後も継続して水質検査を行う予定だそうですので、ご安心下さい。
また、バングラデシュでの井戸は、
当初より水脈にヒ素が含まれていることが分かっておりますので、
ろ過装置付きの井戸を寄贈しております。
取り急ぎ、ご報告申し上げます。
www.idobori22manki.net/archives/963922.htmlより

実際にカンボジア現地での活動を担当したのは「カンボジアに心の井戸を贈る会」と「JMAS(日本地雷処理を支援する会)」の2団体だが、両団体からは安全性に関するアナウンスは出されていない。

「井戸を世界中に22万基掘る会」への支援を当面見合わせたグループもある。

これをうけ、本フォーラムで世界地図を配布することで活動を支援する予定であった世界に井戸を22万基掘る会代表の松岡功氏が現地に確認したところ、当団体が寄付してきた井戸ではそのようなことはないとのことでした。しかし、今回の問題を深く受け止め、当団体の井戸の水質調査を再度行うとのことですが、本フォーラムまでに全ての井戸の調査結果を終わらせ報告する事は難しいと判断しました。

そこで、本フォーラムでの、世界に井戸を22万基掘る会を支援する世界地図の配布を中止とさせて頂くこととなりました。
www.picora.jp/event/20081207yokohama.htmlより

「水脈にヒ素が含まれている」と判明している地域に設置されたという「ろ過装置付きの井戸」とはどんなものなのだろうか?

井戸水からヒ素を除去する装置には、井戸に併設する大型のものと、世帯単位で利用可能な小型のものがある。
すでに大型のものはコスト的に難しいのではないかと指摘したが、ならば、小型のものを各戸に行き渡らせるつもりなのだろうか?

小型の装置には、次のようなものがある。


www.physics.harvard.edu/~wilson/arsenic/...

「WHO」のサイトにあった資料によれば、2005年当時のそれぞれの初期費用は、10ドル(「SONO 45-25」)、33ドル(「MAG/Alcan」)、50ドル(「READ-F」)。
また、数十世帯分を賄うことができる「Sidko」は4250ドル。

当然だがメンテナンスの必要があり、建設後の支援、あるいは住民自身が管理できる体制を用意しなければならない。

「井戸を世界中に22万基掘る会」がバングラデシュでの井戸の設置に着手してから4か月近くが経過したが、「近日」と言ったまま、いまだに完成報告も写真の公開もない。

「ろ過装置付きの井戸を寄贈しております」の一言で済ますのではなく、水質改善のためにどのような手法を採っているのかを明らかにする責任が、「井戸を世界中に22万基掘る会」にはあるはずだ。

「ヒ素が含まれていることが分かっております」と書いた以上、今さら「検出されませんでした」とも言えないだろう。

井戸掘る人びと(14)

「NPO法人 宇宙船地球号」の山本敏晴代表の発言をいろいろと読んでみたのだが、辻褄の合わない点ばかりが目につき、明瞭な語り口とは裏腹に、本当に伝えたいのが何なのかがよくわからない。

たとえば、「ネットワークNGO」の重要性を説き、その代表格として「JANIC」の名を挙げているが、「宇宙船地球号」は「JANIC」の会員にはなっていない。

山本敏晴代表は「国際協力師」を自称している。

定義によれば「国際協力師」の必須要件とは、

1.英語力(TOEFL 600点以上(CBT 210点以上), TOEIC 860点以上)
2.大学院修士(なんらかの開発分野での専門性の証明)
3.二年間の海外勤務経験(青年海外協力隊、UNV、NGO等)
(略)
4.他の国連公用語(仏、西、露、中、アラビア語)
5.大学院時代の国際機関または政府機関でのインターン経験
6.大学時代のNGOまたは企業でのインターン経験
blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/...より
となっているが、彼自身はその半分ほどしか満たしていない。

「NPO法人 宇宙船地球号」の収入はスタッフの給与には一切充てられないのだそうだ。
また、著書からは印税が発生せず、写真展や講演は原則的に無料。

だから、「生活するのに十分な給料をもらいプロとして国際協力を持続的に行っている人々を指す」という「国際協力師」でもない。

NHKの放送では、NGOが問題を起こさないためには「他のNGOや政府系の団体」のような「第三者機関の監査」を入れることが重要と語っていた。
だが、「政府系の団体」に対しての「監査」の必要性については、まったく重視していないようだ。

国連「ECOSOC(経済社会理事会)」に登録されたNGOへの期待も語られていた。

「ECOSOC」のサイトで検索すると、日本に本部を置く団体が36団体がヒットする。
検索エンジンにバグがあるようで、たとえば「ピースボート」は本拠地からは検索できない。

アルファベット順で最初の候補は「AEF International(アフリカ教育基金の会)」。
メンバーは別の団体を立ち上げたりしているようだが、この団体そのものの存在は、現在は確認できない。

2番めは「Asia Crime Prevention Foundation(財団法人 アジア刑政財団)」。
いわゆる「ライブドア事件」や「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」関係者によるODA絡みの不祥事で名前の挙がる団体だ。

36団体には、

  • 「五井平和財団」(白光真宏会)
  • 「国際神道学会」(ワールドメイト)
  • 「オイスカ」(三五教)
  • 「妙智会」
  • 「新日本婦人の会」(日本共産党)
  • 「神慈秀明会」
  • 「創価学会インターナショナル」
といった、特定の宗教団体や政党との直接・間接の関係が認められる団体で、それらと関わりのない人間にとっては敷居が高い組織も含まれている。

AMDA」を例示するだけならわかるのだが、いったいどのような団体のどんな活動を想定して不特定多数の視聴者に向けて漠然と紹介を行なったのか、やはりよくわからないのだ。

山本敏晴代表の講演会を主催した団体にも、「ECOSOC」の特別協議資格を有する団体があった。

会 期:2008年12月19日(金) 13時30分より15時00分
会 場 ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)5階大会議室2
〒540-0008 大阪府大阪市中央区大手前1-3-49
主 催 世界平和女性連合(WFWP)大阪海外派遣員委員会
www.ets-org.jp/schedule.htmlより

本部を米国に置く、「統一教会」系の「WFWP(世界平和女性連合)」である。

「宇宙船~」の前身である「世界共通の教科書を作る会」時代にもいちど呼ばれている。

2003年11月20日(木)
東京、世田谷区玉川区民会館、第1・第2集会室(一般公開)
「グローバリゼーションと貧困・平和」
世界平和女性連合(WFWP)、国連大学、共催
このシンポジウム、国連がらみなので、有料のようです。
home.att.ne.jp/theta/funyataro/plan2003.html

「国際機関」について語り、シエラレオネに滞在したことのある人物が、「WFWP」がどのような団体であるかを知らないなどということはまずありえないのだが、気にならないようだ。

そういえば、カンボジアに井戸の設置を進めていた「井戸を世界中に22万基掘る会」に50万円を拠出した「NPO法人 ネットワーク『地球村』」もまた、「ECOSOC」との特別協議資格を持つ団体だった。

[追記]
「国連広報センター」のページには「AEF International(アフリカ教育基金の会)」は掲載されておらず、すでに資格を喪失しているものとみられる。

井戸掘る人びと(13)

スタジオにはゲストとして「NPO法人 宇宙船地球号」の山本敏晴代表が招かれていた。

番組終盤でのコメントとほぼ同内容の文章が、彼のブログに掲載されていた。

国際協力は、実際は、
開発学などの講義を受け、かつそれを実際の現場で研修し、
きちんとした方法論を
(知識・経験ともに)身につけてから行うべきもので
事前にそうした準備をしていない人が
活動を始めた場合、
活動の中で、様々な問題をおこすことがあり
援助をして、「助けてあげる」つもりが
かえって「現地の迷惑」になることもある。
(略)
しなしながら、NPO法人格をもたず、
JANICにも登録されていないNGOのほうが
数としては圧倒的に多いため、
今後、そうしたNGOたちが、安易な活動をして起こしてしまう問題たちを
どのように予防していくかが、現在最大の問題の一つ、になっている。
blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/...より

にわかには同意しがたい意見である。

「開発学などの講義」といったアカデミックな枠組は、彼の定義する「国際協力師」を目指し、国際援助という〈ギョーカイ〉で「年収1000万円」を稼ぐ〈プレイヤー〉となるには必須かもしれないが、NGOとして活動するだけであれば別に独学でもかまわないはずだ。

「NPO法人格」が何の保証にもならないことは、実例がよく示している。

「JANIC」がどれほど信用に値する団体なのだろう?
たとえば「NGOサポート募金」の収支報告は、いったいどこにあるのだろうか。

「安易な活動をして起こしてしまう問題」には、もちろん井戸水のヒ素汚染によるカンボジアの住民の健康・人命への被害が含まれていると考えられる。

だが、「問題」が起きるか否かは、「NPO法人格」を持ったり「JANIC」に登録しているかどうかによって決まることなのだろうか?

井戸の話だった。

カンボジアに学校を建設している団体もまた多いが、井戸やトイレの設置も同時に行なうのが通例である。

「JANIC」正会員のNPO法人、「JHP・学校をつくる会」のカンダール州における活動地域について調べてみる。

1997年の「クデタコイ小学校」。
Kien Svay郡Veal SbovコミューンのKdei Ta Koy村か。


www.rdic.org/.../Kandal_Kien_Svay_Veal_Sbov.pdf

2006年の「コーキトム中学校」は同郡Kokir ThumコミューンのKokir Thum村。


www.rdic.org/.../Kandal_Kien_Svay_Kokir_Thum.pdf

建設中となっている「ルッセイスロック中学校」。
Ruessei Srok村はカンダール州に2つあるが、「チューティアル小学校」と1キロほどの距離ならば、同じくKien Svay郡のChheu Tealコミューンにある村と思われる。


www.rdic.org/.../Kandal_Kien_Svay_Chheu_Teal.pdf

いずれも汚染の認められる地域である。
青丸はマンガンを示し、Kokir Thumコミューンではほぼ全ての井戸から0.4mg/l以上が検出されている。
日本の水道水は0.05mg/l以下が基準である。

井戸は地域によって掘る深さや作り方が変ります。また出てきた水に大腸菌や砒素が含まれていないか、検査紙を使い確認しています。
www.jhp.or.jp/katsudo/bijutsu/eisei.htmlより

検査結果については「検出されなかった」とされている。
2ppb刻みで検出できる試薬は小口でも1回分10ドル程度で入手できるのだが、かなり簡易な検査法を用いているようだ。
また、大腸菌群が検出された井戸があることから、特にフィルタ処理をしているようでもない。

支援者からは間違いなく問い合わせが相次いでいるはずだが、今回の番組を受けての説明は、webサイトでは特になされてはいない。

「NPO法人格」を持ち「JANIC」に登録していても、この程度のアカウンタビリティというのが現実だ。

「JHP」がこれらの地域で井戸を掘っていたとき、それは「安易な支援」を行なっているとされた団体のものより安全なのだろうか?

井戸掘る人びと(12)

親切な方の誘導により、「クローズアップ現代 善意の井戸で悲劇が起きた」を見ることができた。

きわめて後味が悪い内容だった。

バングラディシュ国民のヒ素被害が、UNICEFのような国際機関に主導された中深度の井戸の利用開始に伴うものであることや、カンボジアでヒ素が検出されている井戸には、やはり国際機関によるものも存在することには軽く触れられていた。

しかしなぜか、事態は「一部の」NGOの「善意」に由来する「安易な支援」が招いた「悲劇」であるかのようなトーンでまとめ上げられていた。

番組で紹介された、「日本の団体」が設置したとされる使用禁止になった井戸には〈Afridev〉型のポンプが使われていた。
その具体的な深さはわからないが、このポンプの用途からいって少なくとも15メートルはあるのだろう。


www.rdic.org/PolizzottoGSA2005new.pdf

上図は井戸の深さによるヒ素の濃度を比較した「RDI」の調査結果である。
上段から順に8~12メートル(白)、20~25メートル(黄)、37~60メートル(赤)というグループになっている。

表層近くの汚染がそれほど深刻ではないという傾向がわかる。
つまり、「2万5000円の井戸」に使われるポンプではくみ上げることができない深さの地下水が、一部の地域できわめて危険な状態にあることこそが大きな問題なのである。

それを、視聴者は理解できただろうか?

「NGOメイクザヘヴン」は「安易な支援」のわかりやすいイメージとして担ぎ出されただけのようだ。
NHKの〈安易な演出〉に利用されてしまったという点においては同情する。

だが。

今回、NHKさんが井戸の取材で入ってくれてはってんけど、今回の井戸堀りは熱かったな。
今回は、58メートルも堀ったんよ。
bn.merumo.ne.jp/backno/...より

代表である「てんつくマン」(軌保博光)は取材時に掘られていた井戸についてこのように言い、メンバーも「いつもより深く掘ったようで約50m掘りました」と書いている。

昨日 NHKのクローズアップ現代でカンボジアの井戸とヒ素についてとりあげられました。
この取材には少しだけ協力させていただきました。

今回のことで日本のみなさんが カンボジアのヒ素の問題をきっかけに支援について
よりよい御理解をしていただけたらと思っています。
makecambo.blog.drecom.jp/archive/997より

「よりよい御理解」の前に、まず、このような嘘をつくのはやめることだ。

そのポンプに50メートルの揚程はないし、地域によっては、地下50メートルまで掘り進むことは汚染のリスクを高めることにしかならないのだから。

井戸掘る人びと(11)

「NGOメイクザヘヴン」のメンバーは言う。

50ppb以上の水を飲みつづけることでの身体への影響は
当然 数値に大きさによりますが 50、60くらいの数値で
大体 10~20年で体に影響が出てくるようです。
makecambo.blog.drecom.jp/archive/981より
この結果を受け、 とりあえず前回から飲料水の基準内(50ppb以下)の井戸は
飲料水としての使用の許可を村に出してもらいました。
(略) これからも井戸支援を続けていく以上 ヒ素という問題は必ず結びついてきます。

その上で MAKE THE HEAVENは作った井戸に対しての責任として妥協せず、
最善の対応をしていきます。
makecambo.blog.drecom.jp/archive/987より

30ないし40ppbなら安全で、50ppbを超えると「10~20年で体に影響が出てくる」という理解のようだが、「最善の対応」を謳うにはあまりにもお粗末だ。

日本の水道水に関しては、WHOと同様の0.01mg/l(≒10ppb)以下という基準であるが、以前はカンボジアと同じ0.05mg/l(≒50ppb)だった。
食品衛生法では清涼飲料水の原水として、いまだに0.05mg/lという基準が生き残っている。

この0.05mg/lという基準は、「慢性中毒は、一般に、飲料水として常用している場合、0.21-14 mg/L以上含有されているとその危険がある」という経験的な知識を参考にして決められたもののようだ(当時の検査法による検出限界も関係する、という話もある)。

「10~20年で体に影響が出てくる」、つまり利用者の多くの慢性中毒につながるような濃度というのは、50ppbを境にした数十ppbの範囲で考えるべきものではない。
先進諸国の0.05から0.01mg/lへの基準の引き下げは、慢性中毒を経ずとも起こりうる将来の発癌リスクを巡って、のことである。

「NGOメイクザヘヴン」の採取した検体を検査しているのはRDI(Resource Development International - Cambodia)という米国系の民間NGOである。
この団体は、2007年にはすでに「NGOメイクザヘヴン」の活動地域を含むプレイヴェン州全域での調査を行なっている。


www.rdic.org/dwqireport/preyveng/...

図中の赤丸が50ppb以上のヒ素が検出された地点である。

番組中で井戸水(地下水)のヒ素汚染の被害が深刻な地域の一例として取り上げられたのは、カンダール州のコ・トム(Koh Thom)郡、コンポン・コン(Kompong Kong)コミューンのプラエ・ルッセイ(Preaek Ruessei)村のようだ。


www.rdic.org/dwqireport/kandal/...

あるブログによれば、番組内では汚染のひどい地域の例として基準の280倍、2800ppbといった値が紹介された模様だが、とりあえずこの図からわかるのは、赤丸の地点にある井戸で50ppb以上が検出されたこと、だけである。

井戸掘る人びと(10)

見逃してしまったが、1か月ほど前にNHKの「クローズアップ現代」の枠で、このような内容の番組が放映された。

10月28日(火)放送
善意の井戸で悲劇が起きた

カンボジアで今、日本など外国NGOの支援で掘られた井戸の水を飲んだ人々にヒ素中毒の症状が現れ、問題となっている。アジアの大河流域には、ヒマラヤ造山運動で噴き出したマグマに含まれるヒ素が、河川で運ばれて堆積した地層があるとされ、この地層から汲み上げた井戸水を飲み続け、ついに死者が出る事態も起きている。政情の安定化にともなって各国のNGOが次々と入るカンボジア。短時間で安価にできる井戸掘りが人気で、アンコールワット観光に井戸の寄贈を組み合わせたパッケージツアーも登場。しかし、これらの井戸は、水質検査もされないケースがほとんどだ。善意の井戸が招いたヒ素中毒の実態と国際支援のあり方を考える。
www.nhk.or.jp/gendai/...より

ブログや掲示板での反応を見ると、〈お気軽な援助〉という切り口、あるいは「日本のテレビ局が大々的なキャンペーンで集めた寄付で掘った井戸も含まれる」といった部分への反応ばかりが目立ち、果たしてこの番組がヒ素による地下水汚染の実態を正確に伝えることができたのか? と考えてしまう。

番組は「カンボジア政府の調査では、国内1万7000の井戸のおよそ半数から基準を超えるヒ素を検出」したと伝えた、という。

なぜサンプルの「およそ半数」から「基準を超えるヒ素」が検出されたと、あたかもNHKのスクープであるかのように騒がれたのだろうか?

鍵となるのは「基準」である。

WHOが定める飲用水のヒ素含有量の上限値は0.01mg/l(≒10ppb)。
いっぽう、カンボジアの暫定基準は0.05mg/l(≒50ppb)。

番組では、井戸を掘る団体として「NGOメイクザヘヴン」が取り上げられた。
同団体が設置した全ての井戸に関してヒ素の検査に着手したのはNHKの取材より前のことであり、取材対象に選ばれたのはそのせいかもしれない。

1、**** プレイクラン村 5ppb
2、**** プレイクラン村 20ppb
3、**** プレイクラン村 5ppb
4、**** プレイクラン村 5ppb
5、**** ステンソムラオン村 20ppb
6、**** ペッチーローア村 0ppb
7、**** ペッチーローア村 0ppb
8、**** ペッチーローア村 5ppb
9、**** ペッチーローア村 10ppb
10、**** ペッチーローア村 5ppb
11、**** ペッチーローア村 20ppb
12、**** プレイクラン村 30ppb
13、**** プレイクラン村 30ppb
14、**** ジオ村 30ppb
15、**** ジオ村 40ppb
16、**** ジオ村 40ppb
17、**** プレイポーン村 30ppb
18、**** ディピエイ村 50ppb
19、**** ディピエイ村 40ppb
20、**** ディピエイ村 40ppb
21、**** ディピエイ村 60ppb

今回の検査の結果初めて MAKE THE HEAVENの井戸から基準値以上のヒ素が検出されました。
makecambo.blog.drecom.jp/archive/981より

NHKの報道に倣ってWHOの基準を採用するならば、それをクリアしているのは3分の1にすぎない。

お金がなくても東大合格、統一原理でニューヨーク留学 (2)

コメントで教えていただいた情報。

~新しい学生自治の為に~
『自治会便覧』掲載「原理研・統一協会の被害者を一人も出さないために」の不当性について、及び、東京大学の学生自治が自由と責任を重んじより良き未来を拓くために

(略)
そして、東京大学の全学生が、自由と責任をもって、学生自治に参加し、日本と世界のために、様々な問題について議論し実践していく東京大学を創り出すために、不断の努力を怠らないことを、原理研究会を代表してここに表明する。

2002.2.14
原理研究会代表
東京大学3年 本山勝寛
worldcarp-tokyo.hp.infoseek.co.jp/...魚拓)より

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