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井戸掘る人びと(12)

親切な方の誘導により、「クローズアップ現代 善意の井戸で悲劇が起きた」を見ることができた。

きわめて後味が悪い内容だった。

バングラディシュ国民のヒ素被害が、UNICEFのような国際機関に主導された中深度の井戸の利用開始に伴うものであることや、カンボジアでヒ素が検出されている井戸には、やはり国際機関によるものも存在することには軽く触れられていた。

しかしなぜか、事態は「一部の」NGOの「善意」に由来する「安易な支援」が招いた「悲劇」であるかのようなトーンでまとめ上げられていた。

番組で紹介された、「日本の団体」が設置したとされる使用禁止になった井戸には〈Afridev〉型のポンプが使われていた。
その具体的な深さはわからないが、このポンプの用途からいって少なくとも15メートルはあるのだろう。


www.rdic.org/PolizzottoGSA2005new.pdf

上図は井戸の深さによるヒ素の濃度を比較した「RDI」の調査結果である。
上段から順に8~12メートル(白)、20~25メートル(黄)、37~60メートル(赤)というグループになっている。

表層近くの汚染がそれほど深刻ではないという傾向がわかる。
つまり、「2万5000円の井戸」に使われるポンプではくみ上げることができない深さの地下水が、一部の地域できわめて危険な状態にあることこそが大きな問題なのである。

それを、視聴者は理解できただろうか?

「NGOメイクザヘヴン」は「安易な支援」のわかりやすいイメージとして担ぎ出されただけのようだ。
NHKの〈安易な演出〉に利用されてしまったという点においては同情する。

だが。

今回、NHKさんが井戸の取材で入ってくれてはってんけど、今回の井戸堀りは熱かったな。
今回は、58メートルも堀ったんよ。
bn.merumo.ne.jp/backno/...より

代表である「てんつくマン」(軌保博光)は取材時に掘られていた井戸についてこのように言い、メンバーも「いつもより深く掘ったようで約50m掘りました」と書いている。

昨日 NHKのクローズアップ現代でカンボジアの井戸とヒ素についてとりあげられました。
この取材には少しだけ協力させていただきました。

今回のことで日本のみなさんが カンボジアのヒ素の問題をきっかけに支援について
よりよい御理解をしていただけたらと思っています。
makecambo.blog.drecom.jp/archive/997より

「よりよい御理解」の前に、まず、このような嘘をつくのはやめることだ。

そのポンプに50メートルの揚程はないし、地域によっては、地下50メートルまで掘り進むことは汚染のリスクを高めることにしかならないのだから。

コメント

井戸の深度とポンプの揚程の話がゴッチャになってますが…

標準水頭と深度は違いますよ

Re: タイトルなし

> 標準水頭と深度は違いますよ

確かに〈被圧地下水〉の特性についてはさらっと流しただけですが、50メートル以上の深さまで掘って7メートル内外までどこでも漏れなく水面が上がってくる(らしい)というのが変な話なんです。

日本の団体だと「JVC」が〈折衷井戸〉というのを掘ってます。丸井戸の底から20~30メートルパイプを降ろしているらしいですが、そのような地域だと〈水頭〉を地下5~6メートルくらいまで持ってくるだけのポテンシャルはあるのだと思います。

いっぽう〈Afridev〉型のような専用ポンプが使われるのは、それでなければ汲み上げられない位置にしか水面が来ない地域もあるということです。

ところで、呼び径45ミリくらいのパイプで取水口が地下58メートルにあり、水面が地下6メートルくらいで釣り合っているとき、〈VN6〉型のようなサクションポンプでそれを連続して汲み上げられるものなんでしょうか?

井戸と被圧水

  A-e-1  地下水 

まず地盤の中で、水はどんな状態で存在しているのかを見てみよう。
地盤の中の水といえば、まず地下水が頭に浮かぶ。地下水の表面が地下水面で、その位置は井戸を掘って観測すれば知ることができる。そして、地下水位以下の地盤では水圧が働く。井戸の中では、地下水面をじかに観察できるが、図に示すように地盤の中の地下水面は明確ではない。

地下水面のすぐ上の地盤では、土粒子が水で覆われている。間隙水があるのでこの部分は地下水以下のように思えるが、これは表面張力で生じる毛管力で吸い上げられた水である。したがって、このような間隙水は、水圧には寄与しない。



(図)地下水・地下水面・水圧

地下水面以下の水は、重力によって水圧を生じるため重力水などともよぶ。地下水面の高さは、基盤や不透水層の位置、地盤の構成などとも関係するが、下の図に示すように地表面の形にほぼ順応している。そして降雨で補給されながら、勾配に従って低い方に流れる。



(図)地下水の表情

図では、地下水に関係したいろいろな現象を説明している。地下水面が地表面に現れることもある。たとえば、河川も地下水面と考えることができる。湖水や湿地帯も同様である。図の一部に示すように、粘土層などの不透水層が地下水面を覆って押さえているような状態になっていると、地下水面が地表に現れずに地下で圧力を受けることがある。こうした状態の地下水を被圧水という。被圧水層に気付かずに杭などを打ち込むと、地下水が地上に噴き出して現場を水浸しにしてしまうことがある。

被圧水層を覆っている不透水層の一部に水道(みずみち)ができ、被圧水が地表に湧出しているのが湧泉や堀抜き井戸である。被圧水に対して、このような圧力を受けていない地下水を自由面地下水あるいは簡単に自由水とよぶ。

河川底の下の礫層中も川と同じように水が流れていることは容易に想像される。また涸れて水が干上がった川でも大抵その下の見えないところに地下水が流れているし、さらに地上からでは分からないけれども地下で川のように水が流れている砂礫層もある。このような地下水を伏流水という。深い礫層に伏流水のあることを確かめずに、場所打ち杭の施工をすると、打設したコンクリートのセメントの粒子が流されて思わぬ事態を招くこともある。

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